この日、秋元さんのひざには痣(あざ)があった。なにか意味がありそうで妖しい雰囲気だった。私は何気ない口調で言った。「隠さなくてもいいよ。フォトショップで修正するから。」この痣は乱行の報いなのか、それとも堕落の予兆なのか。この痣を太陽に見立てると、太股のやや内側にある小さなほくろが、遥か遠くにある惑星のように見えた。しかし話しながら撮影を進めていくうちに、痣の事などすっかり忘れてしまった。結局、右足の宇宙は数枚だけ画角に収まっていた。嘘言って御免なさい。
 
SONY α7R II / Distagon T* FE 35mm F1.4